屋根の上の「ハクビシン」問題――住宅と自然のあいだで起きるトラブルとは

ハクビシンのイラスト

1~2年に一度ぐらいの頻度ではありますが、「夜中に屋根の上でドタドタ音がする」「屋根の上にフンのようなものがある」といったご相談をいただくことがあります。
※ご相談いただく頻度はそのぐらいですが、ウンチはいたるお宅で見かけます。

調べてみると、**ハクビシン(白鼻芯)**という動物の仕業であることが多いんです。


ハクビシンってどんな動物?

ハクビシンは体の大きさが猫くらいで、顔の中心に白いスッとした線が入っているのが特徴です。(下のイラストがハクビシンです。)
一見するとタヌキやアライグマに似ていますが、実はまったく別の動物です。

ハクビシンのイラスト
動物名顔の特徴尾の模様食べ物の好み
ハクビシン顔の真ん中に白い線黒っぽく単色果物・野菜・昆虫など雑食
アライグマ目の周りが黒いマスク模様黒と茶の縞模様手であら不要な仕草が特徴
タヌキ顔に黒い模様ふさふさした尾で短め雑食、夜行性で臆病

屋根や屋根裏での「困った行動」

ハクビシンは運動神経がとてもよく、雨樋(あまどい)をよじ登って屋根に上がることがあります。
そして、屋根の上や外壁と屋根のすき間から屋根裏に入り込み、
その中で子育てをしたり、フンを溜めたりしてしまうのです。

フンは同じ場所に繰り返しする習性があるため、
屋根材を傷めたり、悪臭・害虫の発生につながることもあります。

また、家庭菜園のとうもろこしやスイカなどを収穫前日に食べてしまうこともあり、
せっかくの作物を台無しにしてしまう被害も聞かれます。


どうやって屋根に登るの?

ハクビシンは木登りが得意で、家のまわりの雨樋・電線・物置・塀などをつたって屋根まで登ることができます。
特に雨樋が壁に近い住宅では、簡単に上がられてしまうケースが多いです。


雨樋対策の工事事例(弊社施工)

先日、塗装工事の現地調査中のお客様から
「ハクビシンが屋根に上ってフンをしてしまうので、登れないようにしたい」
というご相談をいただきました。

そこで、雨樋の外側にステンレスのギザギザ板を巻き付ける工事を行いました。
金属面が鋭利なぐらいギザギザしているため、ハクビシンが足を掛けられず、登るのを防ぐ効果があります。

このように、「登れないようにする」だけでも被害の再発防止につながります。
施工後は屋根への侵入がまずできないとは思いますが、今後も経過観察したいと思います。

また、屋根と壁の間に隙間があってそこから内部に侵入されてしまうような場合は、隙間をふさぐ工事もしています。


まとめ:まずは原因を正確に知ることが大切です

ハクビシンは鳥獣保護法で守られているため、勝手に捕獲や駆除をすることはできません。
まずは、どこから侵入しているのか・どんな被害があるのかを確認し、
必要に応じて、専門の建築業者による侵入口の封鎖工事や登り防止対策を行うことが大切です。

屋根や雨樋のまわりで異音やフンを見つけたら、早めの点検をおすすめします。