こんにちは、現在高萩市で塗装工事をしている緑川塗装店です。
梅雨が明けたのか?と思うくらい暑い日が続きますが、現場が海に近いせいか、爽やかな風が吹く時間帯もあって助かっています。
さて今回は、これまで私が手がけてきた中でも「過去一」で難しかった雨漏り修繕のお話です。
※現在の現場とは関係ありません。
▼まずはこちらの図をご覧ください
簡単なイラストにしていますが、実際の建物は改築されており、なかなか複雑な構造でした(難易度がアップ↑します)。
▼雨漏りは2か所発生
青く示した部分で雨漏りが起きていました。
- 【雨漏り②】2階の天井の内側。窓から少し離れた場所に、軽く雨染みが出る。水の量は少なく、毎回漏るわけでもない。
- 【雨漏り①】1階の天井の窓際。こちらは雨のたびに雨漏りが発生。最近特にひどくなってきたとのこと。
▼まずは散水調査へ
このような場合、まず行うのが「散水調査」。
とはいえ、やみくもに水をかけるのではなく、ある程度予測を立てて段階的に進めていきます。
【雨漏り②】の方は2階の窓から少し離れた内側なので、屋根からの雨漏りの可能性が高いと考え、赤①が怪しいと想定。
【雨漏り①】については、以下のように可能性を検討しました。
- 赤①:雨漏り①と②は近いが垂直ではなく、可能性は低め。
- 赤②:雨風の向き的に当たりづらい位置。
- 赤③:雨漏り①の真上なので、一番怪しい!
▼赤③を中心に散水開始
というわけで、赤③を最有力候補として、そこに向かって1箇所ごとに時間を決めて散水していきました。
※③からは水が入り、他からは入らないという両方の証明が必要なので、時間をかけて慎重に行います。
……が、なんと、出ない!
それどころか、屋外の別の場所から水がにじみ出たのです。
調査範囲が広くなってしまい、正確な判断が難しいため、その日は一旦撤収。乾燥を待つことに。
▼大工さんに協力を依頼して再調査
この時点で「この雨漏り修繕は大工さんの作業も必要だ!」と判断し、大工さんにも立ち会っていただくことに。
雨漏り箇所のすぐ脇、1階天井に点検口を開けて天井裏を確認しながら、アドバイスも受けつつ再チャレンジ!
……が、またしても「出ない!」
今度は散水範囲も広げ、1箇所あたりの散水時間も延ばしたのですが、それでも再現できませんでした。
ただし、お客様の話では「普通の雨でも漏る」とのこと。
というわけで、「雨が降って漏れているタイミングでご連絡ください」とお願いし、自然な雨を待つことにしました。
▼雨の日に発見された“決定的なヒント”
そして数日後、しっかり雨が降っている日にお電話をいただき、1階と2階を行ったり来たり調査。
「異常ないですね…でもベランダ(赤③)も濡れてないしなぁ」と話していたとき……
なんと、赤②の室内側で窓サッシの上部が濡れているのを発見!
それが決定打でした。
▼結果はこうでした
2階の屋根から入った雨水が、壁の中を伝って1階まで到達していたのです。
雨漏り①と②は、まったく同じ場所からの雨水の侵入が原因で、
たまたま水滴が同一直線上に落ちていたことで繋がっていると分かりました。
▼修繕内容と経過
今回はコロニアル屋根だったので、カバー工法により板金屋根に葺き替えを行いました。
その後、大雨の日にも確認しましたが、雨漏りの再発はありませんでした。
▼今回の教訓
今回のケースはとても珍しく、2階の屋根からの雨漏りが1階の天井に現れるというものでした。
雨漏り対応では「ここが怪しい」と先入観を持ちすぎず、地道に原因を探ることが大切だと改めて感じました。
また、よく「雨漏り=屋根」と思われがちですが、実は私の経験上、外壁からの侵入の方が多いです。
実際、講習会でもそのような話をよく耳にしますし、データ上も外壁絡みのトラブルが年々増加しているとのことです。
特に最近は、軒(屋根の出っ張り部分)が短い、または無い真四角の家が増えており、
外壁が直接雨を受けやすくなっているため、外壁からの雨漏りが増えるのが予想されます。
▼おわりに
こうした複雑なケースでも、一件一件しっかり調べて納得のいく仕事をするのが緑川塗装店のモットーです。
「これ、ちょっと気になるな…」「もしかして雨漏りかも?」という症状があれば、
ぜひお気軽にご相談ください。
人員不足及びその時の繁忙により、新規のお客様からのご依頼をお請けできない場合があります。まずはご相談ください。